上記の疑問に答えます。
結論としては、
基本的に片道100㎞越えの場合に限り、乗車券のみ半額が適用されます。
ただし、私鉄の場合は鉄道会社によって異なるのが事実。
・療育手帳(第二種)の鉄道料金の割引が分かる。
・中・軽度の知的障害の方が鉄道料金がいくら割引されるのかが分かる。
今回、私が療育手帳C(みどりの手帳)の取得と各鉄道旅客会社に問い合わせした体験をもとに療育手帳(第二種)の鉄道割引についてお話しします。
3分くらいで読めますし、療育手帳(第二種)の鉄道料金割引を知りたい方はぜひ最後までお付き合いください。
療育手帳第2種の場合、電車運賃の割引は片道100キロ越えないと適用されない。
JRの場合は電車運賃(普通乗車券)の割引は片道100㎞越えないと、適用されません。
ただし、私鉄の場合は規則が全く統一されていないのが実情です。
※私鉄の場合は100㎞越えないと、電車運賃(普通乗車券)の割引が適用されない鉄道会社もあります。
JRの場合、旅客各社の知的障害者割引規則で決められています。
私鉄の場合、各鉄道会社によって違うのが事実です。
下の画像が実際、私が持っている療育手帳(埼玉県の手帳)のパンフレット画像▼
上記のようにJRも私鉄も規則が載っています。
しかし、私鉄の場合は各鉄道会社により割引制度が異なるのが事実。
療育手帳第2種の場合、基本的に普通乗車券の割引は片道100㎞越えないと適用されないのです。
そもそも第2種って何?
第二種は障害の程度の区分です。
身体障害者手帳と療育手帳は第一種・第二種の区分があります。
簡単に言うと、身体障害と知的障害を持つ方は障害の程度で区分が分けられているのです。
知的障害の場合▼
最重度・重度の場合が第一種
中・軽度の場合が第二種
障害の区分については、療育手帳制度で決められているからです。
ただし、等級(判定基準)に関しては各自治体によってばらつきがあります。
※一般的に中・軽度の場合はB・Cに区分されている自治体がほとんど。
埼玉県(みどりの手帳)と東京都(愛の手帳)の場合を以下の図で比較してみましょう▼
最重度 | 重度 | 中度 | 軽度 |
マルA | A | B | C |
第一種 | 第一種 | 第二種 | 第二種 |
最重度 | 重度 | 中度 | 軽度 |
1度 | 2度 | 3度 | 4度 |
第一種 | 第一種 | 第二種 | 第二種 |
▲上が埼玉県(みどりの手帳) 下が東京都(愛の手帳)
埼玉県も東京都も第一種・第二種の区分は変わりません。
しかし、上記の判定基準の図のように各自治体によってばらつきがあるのです。
知的障害の場合は、
重度・最重度で「第一種」
中・軽度の場合は「第二種」
と覚えておくとよいでしょう。
いくら割引されるの?
JRの場合
普通乗車券のみに限り、片道100㎞以上の乗車で従来の運賃より半額となります。
JR旅客各社の知的障害者割引規則と療育手帳制度によって決められています。
ここでJR旅客各社の療育手帳(軽度)の場合の適用の例を在来線と新幹線に分けて、単独の場合と介護所同伴の場合を以下のグラフに表示します。
在来線の場合(山手線・大阪環状線・東海道本線などの路線)
乗車券 | 急行券 | 特急券 | 普通回数券 | 定期乗車券 |
片道100以上の乗車の場合、5割引(半額)が適用される。 | 適用されない | 適用されない | 適用されない | 適用されない |
割引が適用される箇所は、赤色の太字で示す。
▲本人だけの乗車の場合。
乗車券 | 急行券 | 特急券 | 普通回数券 | 定期乗車券 |
片道100キロ以上の乗車の場合、本人のみ50%割引(半額)が適用される。
介護者は適用されない。 |
適用されない | 適用されない | 適用されない | 本人が12歳未満である場合、介護者のみ50%割引(半額)が適用される。
|
割引が適用される箇所は、赤色の太字で示す。
▲本人と介護者同伴の乗車の場合。
上記のように「本人だけの乗車」と「本人と介護者同伴の乗車」の場合、定期乗車券以外、サービスに差はありません。
次に新幹線の場合。
乗車券 | 新幹線特急券 | 定期乗車券 |
片道100キロ以上の乗車の場合、50%割引(半額)が適用される。 | 適用されない。 | 適用されない。 |
割引が適用される箇所は、赤色の太字で示す。
▲本人だけの乗車の場合。
乗車券 | 新幹線特急券 | 定期乗車券 |
片道100キロ以上の乗車の場合、本人のみ5割引(半額)が適用される。
介護者は適用されない。 |
適用されない | 本人が12歳未満である場合、介護者のみ5割引(半額)が適用される。 |
割引が適用される箇所は、赤色の太字で示す。
▲本人と介護者同伴の乗車の場合。
例えば、療育手帳第2種の知的障害者が東京-仙台間を新幹線(自由席)を利用する場合▼
乗車券 | 新幹線特急券 |
割引適用 3020円(通常6050円) | 4510円 |
割引が適用される箇所は、赤色の太字で示す。
療育手帳第2種の知的障害者が東京ー仙台間の料金は合計7530円
新幹線を乗車する場合は、割引が適用されるのは乗車券だけです。
新幹線・在来線とともに、乗車券だけが片道100㎞以上の乗車で従来の運賃より半額となります。
私鉄の場合
私鉄の場合、会社によって異なります。
私鉄の場合はJRと異なり、数多くの鉄道会社があるからです。
私鉄には数多くの分類があります。
・大手私鉄
・中小私鉄
・第三セクター
・公営・県営地下鉄など
一般的にJRを除く、鉄道会社のことを表します。
ここで、各私鉄会社の療育手帳割引制度の表を
・公営・県営地下鉄=都営地下鉄
・大手私鉄=東武鉄道
・第三セクター=つくばエクスプレス
の順に表示しましょう。
最初に、公営・県営地下鉄の都営地下鉄の場合。
基本的に東京都にお住まいの第2種の知的障害者(中度・軽度)方だけが適用されます。
東京都以外の方は基本的に適用されない。
※他都道府県の方は、定期券だけが介護者と同伴・本人が12歳の未満の条件に限り、介護者のみが適用される。
都営地下鉄の場合の割引表▼
乗車券(本人の場合と介護者同伴の場合) | 定期券(本人の場合と介護者同伴の場合) | 回数券(本人の場合と介護者同伴の場合) |
5割引(半額) | 5割引(半額) | 5割引(半額) |
割引が適用される箇所は、赤色の太字で示す。
基本的に他県の方は、割引が適用されないことを覚えておくとよいでしょう。
続いて、大手私鉄の東武鉄道の場合の割引表▼
乗車券 | ICカード(PASMOなど) | 回数券 | 定期券 | |
本人のみの乗車 | 片道101キロ以上の乗車の場合、5割引(半額)が適用される。 | 片道101キロ以上の乗車の場合、5割引(半額)が適用される。 | 適用されない | 適用されない |
本人と介護者同伴の乗車 | 適用されない | 適用されない | 適用されない | 本人が小児の場合、介護者のみ5割引(半額)が適用される。 |
割引が適用される箇所は、赤色の太字で示す。
※ただし、直通については他の鉄道会社により異なる。(東京メトロ・東急電鉄・野岩・会津鉄道など)
続いて、第三セクター鉄道のつくばエクスプレスの場合の割引表▼
乗車券 | 回数券 | 定期券 | |
本人のみの乗車 | 5割引(半額)が適用される。 | 適用されない | 適用されない |
本人と介護者同伴の乗車 | 適用されない | 適用されない | 本人がこどもと6歳未満に限り、介護者のみが5割引(半額)が適用される。
本人が大人の場合、介護者は適用されない。 |
割引が適用される箇所は、赤色の太字で示す。
上記の私鉄3社(都営地下鉄・東京メトロ・つくばエクスプレス)を比べてみました。
私鉄の場合、会社によって独自のルールがあり、必ずしも療育手帳割引にはばらつきがあるのです。
さいごに 療育手帳第2種の場合、長距離移動でない限りは割引が適用されない。
基本的に療育手帳第2種で鉄道を利用する場合、片道を100㎞を越えない限り割引が適用されません。
簡単に言うと、中・軽度の知的障害者は普通列車で長距離移動しないと、割引が効かないことと覚えておくと良いでしょう。
・普通乗車券で片道100㎞越えない限り、割引が適用されない。 ・中・軽度の知的障害者が第2種に該当する。 ・JRの場合、片道100㎞乗車した場合に限り、普通乗車券のみが割引される ・私鉄の場合、各鉄道会社によって異なる。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。